2次遅れ系システムのステップ応答(その2)

ロボットなどの動的システムを示す伝達関数を用いて、システムの入力に対するシステムの応答の様子を算出することが出来ます。

前回の記事では、2次遅れ系システムについて、

  • 固有角周波数(Natural Frequency)
  • 減衰比(Damping Ratio)
  • 減衰振動の固有角周波数(Damped Frequency)
  • 立ち上がり時間(Rise Time)

と、システムの伝達関数の基本形とそのステップ応答について紹介しました。

ロボットなどの動的システムを示す伝達関数を用いて、システムの入力に対するシステムの応答の様子を算出することが出来ます。 ...

今回は、前回からの続きとして、2次遅れ系システムのステップ応答について、

  • 静定時間(Settling Time)
  • 最大オーバーシュート量(Percentage Overshoot)
  • 最大オーバーシュート時間(Peak Time)

の値を伝達関数から算出する方法を紹介します。

2次系システムのステップ応答

2次遅れ系システムの伝達関数\(T(s)\)の基本形

$$ T(s) = \frac{{\omega_n}^2}{s^2 + 2 \zeta \omega_n s+{\omega_n}^2} $$

から、システムにステップ状の入力(ステップ入力)を与えた際のシステムの出力(ステップ応答)の特性

  • 固有角周波数(Natural Frequency) ←前回
  • 減衰比(Damping Ratio) ←前回
  • 減衰振動の固有角周波数(Damped Frequency) ←前回
  • 立ち上がり時間(Rise Time) ←前回
  • 静定時間(Settling Time) ←今回
  • 最大オーバーシュート量(Percentage Overshoot) ←今回
  • 最大オーバーシュート時間(Peak Time) ←今回

を算出する方法を紹介します。

静定時間

システムにステップ入力を与えた際のシステムの応答について、出力が最終値の\(\pm P_c\%\)以内になるまでに要する時間を静定時間(Settling Time)と言います。

前回の記事より、2次遅れ系システムのステップ応答は時間領域\(t\)では、

$$ g(t) = 1 – \frac{1}{\sqrt{1 – \zeta^2}}e^{-\zeta \omega_n t} \sin \left( \omega_d t + \tan^{-1}\left(\frac{\sqrt{1-\zeta^2}}{\zeta}\right) \right)$$

と表すことが出来ます。

この応答の式を用いて、出力が最終値の\(\pm 2 \%\)以内になるまでに要する静定時間を算出していきます。

応答の式の内、サイン成分を除いた場合の出力値が出力の\(98 \% \left(= 100 \% – 2 \%\right)\)となる場合の時間\(T_s\)は、

$$ 0.98 = 1 – \frac{1}{\sqrt{1 – \zeta^2}}e^{-\zeta \omega_n T_s} $$

$$ \frac{1}{\sqrt{1 – \zeta^2}}e^{-\zeta \omega_n T_s} = 0.02$$

と表されます。

この関係式を静定時間\(T_s\)について解くと、

$$ T_s = \frac{-\log \left(0.02 \sqrt{1-\zeta^2}\right)}{\zeta {\omega}_n} $$

と、静定時間\(T_s\)が固有角周波数\(\omega_n\)と減衰比\(\zeta\)を用いて、伝達関数から算出できることが分かりました。

最大オーバーシュート時間

最大オーバーシュートの箇所ではステップ応答の時間微分は0となります。

よって、ステップ応答を表す式の時間微分を求めて、その式の値が0となる時間を求めれば、最大オーバーシュート時間\(T_p\)を算出することが出来ます。

ステップ応答の時間微分を表す式は、

$$ \dot{g}(t) = \frac{1}{\sqrt{1 – \zeta^2}}e^{-\zeta \omega_n t} \sin \left( \omega_n \sqrt{1 – \zeta^2} t \right)$$

となるため、この式の値が0となる為には、

$$ \omega_n \sqrt{1 – \zeta^2} t = n \pi $$

となる必要があります。

これより、最大オーバーシュート時間\(T_p\)は、

$$ T_p = \frac{\pi}{\omega_n \sqrt{1 – \zeta^2}} $$

と算出出来ることが分かりました。

最大オーバーシュート量

最大オーバーシュート量(\(\% OS\))は、時間領域\(t\)でのステップ応答の最大値\(g_{max}\)と応答の最終値\(g_{final}\)の関係を

$$ \% OS = 100 \cdot \frac{g_{max}-g_{final}}{g_{final}} $$

と表したものです。

ステップ応答の最大値\(g_{max}\)は、時間\(t = T_p\)の時のステップ応答の値のため、

$$ g_{max} = g \left(T_p\right) = 1+e^{-\frac{\zeta \pi}{\sqrt{1 – \zeta^2}}} $$

となります。

ステップ応答の最終値\(g_{final}\)は、

$$ g_{final} = 1 $$

なので、これより最大オーバーシュート量(\(\% OS\))は、

$$ \% OS = 100 \cdot \frac{g_{max}-g_{final}}{g_{final}} = 100 e^{-\frac{\zeta \pi}{\sqrt{1 – \zeta^2}}}$$

と算出できることが分かります。

まとめ

今回は、ロボットなどの動的システムを表した2次遅れ系システムの伝達関数から、システムのステップ入力に対するステップ応答の特性として静定時間、最大オーバーシュート量と時間を算出する方法を紹介しました。

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