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システムの安定性:ラウス・フルビッツの安定判別法(その2)

ロボットなどを制御する際に重要な制御システムの安定性を判別する方法として、ラウス・フルビッツの安定判別法があります。

前回の記事では、ラウス・フルビッツの安定判別法の内のフルビッツの安定判別法の2つの方法を用いた不安定なシステムを判別する方法を紹介しました。

ロボットなどのシステムの安定性を判別することは、ロボットなどを制御する際にとても重要です。 前回の記事では、システムが...

今回は、ラウスの安定判別法について紹介していきたいと思います。

伝達関数と特性方程式

前回までの復習です。

ロボットなどの伝達関数\(G(s)\)が

$$ G(s) = \frac{b_m s^m+b_{m-1} s^{m-1}+\cdots+b_1 s+b_0}{s^n+a_{n-1} s^{n-1}+\cdots+a_1 s+a_0} $$

と表されるシステムを考えます。

このシステムの特性方程式\(D(s)\)は、伝達関数\(G(s)\)の分母より

$$ D(s) = s^n+a_{n-1} s^{n-1}+\cdots+a_1 s+a_0 $$

となります。

この特性方程式\(D(s)\)について、全ての解が複素平面の左側に存在する場合(全ての解の実部が負の場合)はシステムが安定であると言えます。

しかし、この特性方程式\(D(s)\)の次数が高くなると解を求めることが難しくなります。

そこで、ラウス・フルビッツの安定判別法を用いることで、特性方程式\(D(s)\)の解を求めず制御系の安定性を判別することが出来ます。

ラウスの安定判別法

ラウスの安定判別法は、制御系の特性方程式\(D(s)\)が

$$ D(s) = a_0 s^n + a_1 s^{n-1} + a_2 s^{n-2} + \cdots + a_{n-1} s + a_n = 0 $$

と表されるとき、各項の係数\(a_0, a_1, a_2, \cdots , a_{n-1} , a_n \)を用いて数列を作り、その符号を調べることで不安定となる解が存在するかを判別する方法です。

この安定性を判別するためにラウス配列と呼ばれる配列を用います。

ラウス配列は、下記のように特性方程式\(D(s)\)の係数を用いて求められます。

$$ \begin{eqnarray} \begin{array}{c|ccccc} s^n & a_0 & a_2 & a_4 & a_6 & \cdots \\ s^{n-1} & a_1 & a_3 & a_5 & a_7 & \cdots \\ s^{n-2} & \frac{a_1 a_2 – a_0 a_3}{a_1} = b_1 & \frac{a_1 a_4 – a_0 a_5}{a_1} = b_2 & \frac{a_1 a_6 – a_0 a_7}{a_1} = b_3 & \cdots & \cdots \\ s^{n-3} & \frac{b_1 a_3 – a_1 b_2}{b_1} = c_1 & \frac{b_1 a_5 – a_1 b_3}{b_1} = c_2 & \frac{b_1 a_7 – a_1 b_4}{b_1} = c_3 & \cdots & \cdots \\ s^{n-4} & \frac{c_1 b_2 – b_1 c_2}{c_1} = d_1 & \frac{c_1 b_3 – b_1 c_3}{c_1} = d_1 & \cdots & \cdots & \cdots \\ \vdots & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots \\ s^0 & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots \\ \end{array} \end{eqnarray} $$

このラウス配列の第1列の値

$$ a_0, a_1, b_1, c_1, d_1, \cdots $$

を数列として、この数列の符号の変化数を数えます。

この数列の符号の変化数分だけ、複素平面の右側に解が存在します。

言い換えると、ラウス配列で求められる数列内において、符号変化がなければシステムは安定だということが出来ます。

ラウスの安定判別法を用いた安定性の判別

実際にラウスの安定判別法を用いてシステムが安定か不安定かを判別していきます。

制御系の伝達関数\(G(s)\)が

$$ G(s) = \frac{10}{s^4 + 6 s^3 + 11 s^2 + 6 s + 200} $$

と与えられた時、このシステムの安定性をラウスの安定判別法を用いて求めます。

このシステムの特性方程式\(D(s)\)は伝達関数\(G(s)\)の分母より

$$ D(s) = s^4 + 6 s^3 + 11 s^2 + 6 s + 200 $$

となります。

この特性方程式\(D(s)\)を用いて、ラウス配列を作成します。

$$ \begin{eqnarray} \begin{array}{c|ccc} s^4 & 1 & 11 & 200 \\ s^3 & 6 & 6 & 0 \\ s^2 & \frac{6\cdot11-1\cdot6}{6}=10 & \frac{6\cdot200-1\cdot0}{6}=200 & \\ s^1 & \frac{10\cdot6-6\cdot200}{10}=-114 & & \\ s^0 & \frac{-114\cdot200-10\cdot0}{-114}=200 & & \\ \end{array} \end{eqnarray} $$

このラウス配列の第1列の値から数列

$$ \left[ 1, 6, 10, -114, 200 \right] $$

を作成します。

この求めた数列について、符号が10から-114と-114から200と2回変化しています。

この数列内の符号の変化から、この制御システムの特性方程式\(D(s)\)の解の内、2つの解が複素平面の右側に存在することが分かります。

よって、今回の伝達関数\(G(s)\)で表されるシステムは、特性方程式の解を求めずにラウスの安定判別法を用いて不安定であることが分かりました。

まとめ

今回は、ロボットなどの制御システムの安定性を求めるためにラウスの安定判別法を用いた方法を紹介しました。

ラウスの安定判別法を用いることで、複雑な伝達関数の複雑な特定方程式を解く必要がなくなり、簡単にシステムが安定か不安定かの判断が出来ることが分かりました。

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